概観
寄り付き前に発表された米国のCPIとコアCPIは、ともに市場予想を下回った。インフレ圧力の緩和期待から市場は上昇したが、全体が一様に強かったわけではなく、上昇はサイバーセキュリティなど一部の強いグループに集中した。
現在のようなチョッピーな環境でのギャップアップは追いかけにくい。指数のチャート形状は整いつつある一方、個別株ではタイトで明確なセットアップが依然として少なく、積極的にポジションを増やす局面ではないと判断した。
今日のトレード
AMD
本日の新規トレードはAMDの1回のみ。
AMDが日中に下落してきたところで、MACDの転換点付近を狙ってエントリーした。

- ポジションサイズ:5%
- 初期ストップ:1.51%
- ポートフォリオ全体の想定リスク:約0.075%
本来は積極的にトレードしたい日ではなかったが、リスクが非常に小さかったため、「これくらいなら1回だけ試してもよい」と判断した。
しかし、当日安値にかかってストップとなった。
損失額は小さいものの、セットアップへの強い確信があったというより、「小さなリスクだから試した」という側面があった。結果として、多少FOMOが発動していた可能性がある。
あまり無理に取りに行く環境ではないが、昨日最初に買ったものをホールドしておくのが結果論としては良かった。仕方ない。
AMDのエントリー位置に関する振り返り
結果論ではあるが、AMDの最も良いエントリー位置は7月8日だったと考えている。
7月14日の時点では、すでに最初の良い押し目や反転位置を逃した後だった。現在の位置から改めて取ろうとすると、初動を追いかけるか、中途半端な反転を拾うことになりやすい。
ただし、7月8日の時点で実際にエントリーするのは簡単ではなかった。そのため、単純に「8日に買うべきだった」と結論づけるのではなく、7月8日に何が確認できていたのかを検証する必要がある。
7月8日(左のデイリーチャートで赤矢印の日)の考え方としては、500ドル付近にサポートがあったため、市場全体の下落日に狙いを定めていれば、右の5分足チャートでオレンジの丸で示したような、620セットアップが成立した時に買えていた可能性はある。

ただし、この時点で個人的なトレードは連敗続きだった上、市場のチョッピーな環境に振り回されるのに疲れ、なかなか心理的にも積極的になりづらい状況だった。
ただ単に悔やむだけでは意味がなく、こういう環境でも抗うスタイルなのか、それとも基準を満たすセットアップを辛抱強く待つスタイルなのか、自分を定義しておく必要がある。
指数の状況
現在は、個別銘柄よりもNASDAQやS&P 500の方がチャート形状が整っている。
NASDAQ
ダウントレンドラインを形成しており、ここから上抜けできるかを確認したい局面。

S&P 500
ボラティリティが徐々に収縮しており、VCPに近い良好な形状となっている。

指数は整ってきている一方、個別株には明確でタイトなセットアップがほとんど見当たらないという、少し不思議な状況になっている。
半導体・ハードウェア
AMD
相対的な強さはあるものの、タイトで硬いベースを形成しているわけではない。
本日は一時上昇したものの、始値からは大きく押し戻され、赤い日足となった。日中の反転を狙ったが、終値まで継続する強さはなかった。
DELL
現在見ている銘柄の中では、後述するサイバーセキュリティ銘柄を除けば、DELLが最も良いチャートをしていると思う。

ただし、本日は寄り付きからギャップアップしており、新規で追いかけることはできなかった。
前日に購入してストップにかかったが、前日の値動きでは保有を継続するのは難しかった。AMDと同じく、理想的には7月7日、遅くとも7月8日ごろにポジションを構築できていれば、本日の上昇を保有した状態で迎えられた可能性がある。
本日の終値は、最近のDELLの中ではかなり良好だった。今後もAMDとともに、明確なリーダー候補として観察する。
サイバーセキュリティ
本日最も強かったグループは、サイバーセキュリティだった。
- CRWD:約+12.1%
- OKTA:約+10.8%
- PANW:約+6.8%
- RBRK:約+5%
- DDOG:約+4.0%
- FTNT:約+3.9%
保有しているPANWとFTNTも上昇したが、どちらもポジションサイズが小さいため、ポートフォリオへの寄与は限定的だった。
CRWD

前日の21日移動平均線への最初の押しが、結果として良い買い場になった。
ただし、前日の時点では同じように21日移動平均線へ押していたLLYも候補になり得たが、LLYは本日ギャップダウンした。
そのため、CRWDだけを後から見て「昨日は必ず買うべきだった」と判断するのは結果論になる。事前にCRWDを重点銘柄として選定していれば取れた可能性はあるが、必須トレードとまでは言えなかった。
DDOG

サイバーセキュリティ関連で、今後のエントリー余地が比較的残っている候補。
ただし、本日は値幅が大きかったため、すぐに追いかけるよりも、いったんインサイドデイやタイトな保ち合いを作り、その後に上放れる形が理想的。
CSCO

厳密にはネットワーク機器を中心とするハードウェア企業だが、サイバーセキュリティ分野にも関わっている。
チャート形状は悪くないものの、まだベース構築中であり、急いで買う必要のある状態ではない。
医薬品・バイオ
LLY

前日は21日移動平均線への最初の押しとなっていたが、本日はギャップダウンした。
以前のブレイクアウト・ピボット付近まで戻っており、完全に崩れたわけではない。ただし、値動きが遅いスロームーバーであるため、短期間で利益を回転させたいトレーダーには魅力が弱い。
MRK

3〜4か月程度の大きなベースからブレイクアウトした後、再びピボット付近へ戻ってきた。
ただし、ATRが約2.8%であるのに対して、本日は約2.6%下落しており、低ボラティリティ銘柄としては下落幅が大きい。直近の赤い日足も目立ち、サイバーセキュリティと比較すると明確に劣後している。
バイオ全体はIBBなどを見る限り、極端に崩れているわけではない。しかし、現時点で最も強いグループとは言いにくい。
金属関連
貴金属や銅などの金属関連も強かった。
ただし、もともと相対的に弱かったグループの底値反発という側面が強い。自分の狙いは、弱いグループの底値拾いではなく、強いグループがコンソリデーションや押し目を作ったところを買うこと。
したがって、金属関連をここから新規で狙うことは考えていない。
マーケット・ブレッドス
本日のTheme Trackerでは、以下の結果となった。
- 4%以上上昇:180銘柄
- 4%以上下落:108銘柄
上昇銘柄の方が多く、前日よりは改善している。しかし、CPI発表後のギャップアップや、サイバーセキュリティ株の大幅上昇という印象に比べると、ブレッドスの改善は限定的だった。
市場全体が広く強くなったというより、一部の強い銘柄やグループに上昇が集中していた可能性がある。
現在のポートフォリオとスタンス
現在の保有比率は約5%で、残り約95%はキャッシュ。前日から大きな変化はない。
現時点で攻撃的になるべきではないと考える理由は、主に以下の2点。
- 直近の自分のトレード成績が機能していない
- 明確でタイトなセットアップが極端に少ない
また、エントリー後のフォロースルーも発生しにくい。
サイバーセキュリティでは6月後半にブレイクアウトからの良好なフォロースルーが見られたが、今回の上昇が継続するかはまだ分からない。
今後の重点観察項目
- サイバーセキュリティが本日の上昇を維持できるか
- DELLとAMDがリーダーとしてフォロースルーを見せるか
- 指数の良好な形状が、個別株のセットアップ増加につながるか
- 15日夜のPPI、17日のトランプ演説によるボラティリティ上昇に注意